何度でも何度でも…
黒崎病院の面々が海斗としるふを温かく見守っているのは、こうやって二人がお互いのことを想っているからだ

海斗にしがみつくだけでは決してないしるふだからこそ認めたのだ

黒崎病院にとって海斗は大切な存在だ

その海斗にいらぬ虫が付くのは、特に古株メンバーにとっては頂けないことだ

でもしるふは海斗が黒崎病院の跡取りだから近づいてきたわけではないし、ちゃんと海斗という人間を見ている

一方の海斗もしるふを大切に想っている

だから若手医師や看護師が医療界では有名な海斗に、黒崎病院のマドンナであるしるふに手を出さぬよう毎春くぎを刺しているのである

それで仲良く歩く二人を見続けていけるのなら

黒崎病院がずっと患者のためにあり続けていくのなら


食堂の一角で肩を並べて座る

楽しそうに話す

沈黙すらも楽しんでいるような二人を見つけては微笑むのだ

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