何度でも何度でも…
「ん?」

ICUで患者と話をしていたしるふは、ふと階段の下のところ、出入り口に近いところで海斗が誰かと話をしていることに気がついた

多分160㎝くらいしかない身長が彼女のかわいさを引き立てている

どこかで見たような…

どこだったけかな

記憶をたどっていたしるふは

「あの人誰でしたっけ」

思い出すことをあきらめ隣にいた看護師に聞く

しるふの視線を追って海斗とその正面に立つ女性に行き着いた看護師は、ああ、と納得したようにつぶやいてから

「大学教授の娘さんですよ。昔から黒崎先生にお熱だっていう。常連メンバーですよ」

全く黒崎先生も可哀そうね

と同情するような眼差しを海斗に向ける30代半ばの看護師の隣でしるふは、あーと思い出したようにうなずく

そうだ、某大学医学部教授の娘さんだ

しるふが研修医の時に一度か二度海斗に会いに来ていた

その後ぱったりと来なくなったから忘れていたけど

海斗のもてぶりを思い知ったのはその時だ

見た目に似合わず押しの強い性格なのだ

いつも海斗が癖穎していた記憶がよみがえる

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