何度でも何度でも…
長期休暇

1日目

「え!?海斗君来ないの!?」

リビングのソファに腰かけて足を組んだ紗雪が素っ頓狂な声を上げる

「うん。今回は休みかぶってないんだ」

姪の美沙と遊ぶしるふから返るのは、素っ気ない言葉

始まった一週間休暇

マンションの玄関で見送る海斗に「じゃ!!」と軽やかに別れを告げて来た

この一週間、あいつから連絡が来ないことに私は賭ける

そういう男だ、奴は

「えー、残念。一週間も休みがあるから一日くらいはかぶると思ってたのに」

会いたかったなー、海斗君

天井を見上げながら嘆く姉を横目に、

しるふの帰宅=海斗の訪問という公式を作らないでほしいと心の底から思うしるふである

「ま、黒崎は忙しいだろうしな」

椅子に腰かけている兄のつぶやきだ

「そうだよ。それに、クリスマスに会ったばっかりじゃん」

「いや、海斗君はいつ、何度あったって目の保養になるからいいのよ」

むしろ大歓迎?

どうして海斗はこうも好かれているのだろうか
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