何度でも何度でも…
研修医の時、ずっと遠い存在だった海斗

完璧すぎて自分とは次元の違う人だと思っていた

でもその海斗にも医者を辞めたくなったこと医者になるつもりのなかったこと

いつも周りからの期待に思惑に絶望していること

すべてを一人で抱えていることを知った

その時から海斗の支えになりたいと思っていた

海斗が頼ってきたら、愚痴ってきたらそれを受け止めてあげようって

小さな変化に気が付いてあげようって

あまり人に頼らない人だから私から力になってあげようって

なのに…

今日、海斗はしるふの言葉を遮った

たぶん声音でしるふが指導医と研修医という関係ではなく、恋人という関係を新城に言おうとしているのを読み取ったのだろう

たった一言でしるふを制してしまった

それは新城の性格を知っているからで

もししるふが海斗の恋人だと知れば新庄がその父親が黙っていないだろうと海斗はわかっているから

だからしるふの言葉を制したのだ

いらないやっかみに、女の嫉妬にしるふを巻き込むつもりはない

そんな小さなことで彼女を傷つけたくはない

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