何度でも何度でも…
ゆっくりと海斗が体重をかけてくる

反射的に海斗の背に腕を回す

服越しに海斗の程よい筋肉を感じる

海斗に腕一本で支えらてゆっくりと衝撃なくソファの上に横たわる

「…ん…」

思わず息をつくしるふの体とソファの間に海斗の腕が入ってきて強く抱きしめられる


ゆっくりと離れた唇にはまだぬくもりが残っている

お互いに優しい瞳で見つめ合う

「…ねえ、海斗」

穏やかな瞳で名を呼ぶしるふ

「ん?」

「お願いだから、もう少し私を頼って」

独りですべて抱え込んだりしないで

つらいのに笑わないで

しるふの言葉に海斗は少し目を見張った後、自嘲気味に笑みを宿して瞳を閉じる

「…これでも結構しるふに頼ってるつもりだけどね」

「約束、ね」

しるふの探るような瞳に、海斗はふと息をつく

付き合い始めて2年

しるふには敵わない

きっと、これからも

「…わかった。努力する」

観念したようにそういう海斗に満足そうな笑みを見せてしるふは勢いよく海斗の首に腕を回す

少し離れていた体を引き寄せるようにして再び唇を重ねる


感じるぬくもりは本物だから

信じて支え合っていこうと思う

二人でいる意味はそこにあるでしょ?
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