何度でも何度でも…
「だってさ、海斗が一人で全部抱え込むから。だから言ってやったの。海斗にとって私は何のよ!?って、ついでに海斗に守られるだけの女にはならない宣言もしてやったもんね」

昔のことを思い出していたしるふは、あの時ほど海斗に苛立ったことないわーとチューハイを口に含む

「へー、って。あんたさ、かなり端折ってない?どうやって仲直りしたとか、海斗君が噴火するあんたにどんな言葉をかけてくれたとか一切説明なしなわけ?」

不満そうに眉を寄せる姉にしるふはしらっとして

「ひーみーつっ。いくら雪ねーでも教えてあーげないっ」

とおどけた後にふふと微笑む

誰が教えてやるもんか

海斗との愛おしい記憶は自分だけのものだ

海斗のぬくもりも

香りも

愛してるの言葉も

優しいキスも

抱きしめる力強い腕も

全部自分だけのもの

それはすべて「彼女」である自分だけのものだから…






今カノの噴火     -完—

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