何度でも何度でも…
ジェットコースターはさすがこの遊園地一のアトラクションということもあって待ち時間30分だった

ま、短いもんじゃないか

TDR、TDSとかって略されるところは100分ざらだ

それに比べたらかわいいものだ

「にしてもしょっぱなこれ乗るってこの後どうするんだよ」

列の最後尾に並んで足が止まった後海斗が腕組みしして聞いてきた

「え、観覧車だってあるし、あ、あとね今特別展でトリックアート展やってるんだって」

「目の錯覚を利用したあれか」

あれは楽しいんだよな

ふんふんと頷く海斗を見上げていた視線をふと前に移すと直前に並ぶ大学生だろうか?のカップルが仲良さ気にいちゃついていた

そのままキスできるんじゃないかってくらいに顔は近いし、しっかりそれぞれの腕は腰に回っている

「…」

予期せず視界に入ってしまったとはいえ、反応に困る

どうしたもんかと再び海斗を見上げると海斗も同様だったらしく、気にしなくていいんじゃない?という顔で肩をすくめてきた

声は出さずに苦笑を返す

残念、こういう時、だったらこっちも見せつけてやろう的な心境にはならない我が恋人だ

きっと心の中で、ガキが…程度に思っているのだろう

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