何度でも何度でも…

電話の一番近くにいた希央が受話器を取る

「あ！こんばんは。ええ、いますよ。ちょっと待ってくださいね」

相変わらず優しい雰囲気の義姉である

「しるふちゃん、おばさんから電話よ」

希央の優しげな瞳と驚いたしるふの瞳が交差する

思わず自分を指さし、私?と口だけで確認してしまうほど

「あ、忘れてた。連絡してって言われてたんだった」

もろ忘れていた姉のつぶやき

思わずにらむと、謝る気のない謝罪が苦笑いとともに返される

後で高級スイーツでもおごらせるか

腕の中から美沙を床に降ろして立ち上がったしるふは、一人心に誓う

「もしもし、おばさん?」

説明しよう

受話器の向こう側の数少ない親戚のおばは、父の姉で、

両親が亡くなったころからいろいろと世話をしてくれたいた人物である

よく言えば超ポジティブ&溌剌

悪く言えばお節介という性格の持ち主で、

医者になり、未だに彼氏のいない（と思われている）しるふを心から心配する一人だ