何度でも何度でも…
「あ、え、いや、あの叔母さん……」

答えてくれるのは、規則的な機械音

…どうしようか

切れた受話器を見つめながら、一人考える

せっかくの一週間が

「叔母さんなんだって?」

あまりに哀愁漂う背に、紗雪が気を決して声をかける

「なんか、おばさんの知り合いの息子さんが医者で、会って話がしてみたいから、明日10時半に迎えに来るって」

「ふーん。息子、ねえ」

ふっと瞳を細めて含みのある声で紗雪がつぶやく

「よくわかんないけど、やっぱり黒崎病院ですごいのかな」

実際その中にいると分からないものもあるものだ

「そりゃそうでしょうよ、あんた。天下の黒崎病院よ?この私でも名前知ってるくらいなんだから、相当でしょ」

「そか」

頷いたしるふは、どこかうれしそうだ

「ねえ、しるふ」

「ん、何?」

美沙の隣に座り直しながら紗雪を振り返る

「…海斗君に連絡しておいたら?」

「なんで?」

ああ、未だにこうやって海斗を振り回しているのか

これはまた海斗に心から誤っておかねばな、とブラウンの瞳を見つめながら思う
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