何度でも何度でも…

2日目

長休暇二日目



待ち合わせの10時半ちょっと前

だらだらと準備を始めたしるふが身に着けるのは、

無難な紺のストレートパンツにグリーンの大人っぽいセーター

「ふー」

乗り気ゼロ

早く終わってほしいというのが正直なところ

そのやる気に相まってか服装もやる気がない

それでもいいか、と思ってしまうのだから人間気持ち大切だ

こういうところ自分も相当ずぼらだよなーとしみじみ思う

海斗とのデートなら寒さとか動きにくさなんて気にしないのに

服選びに時間がかかりすぎて毎回のように遅刻するほどなのに

「ま、これはこれで大人っぽくていいか」

そういうことにしよう

とっとと、と階段を下り、リビングに入ると紗雪が振り返ってきた

「…あんた、それで行くの?」

「うん、悪い?」

「…いや、」

そういうところあんたもガード堅いわよね

こうして幾度となく、その鈍感さと硬く高いガードでたくさんの男の心をへし折ってきたのだ、我が妹は



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