何度でも何度でも…

にしても病院が対局だとその息子の雰囲気も対局になるものなのだろうか

優雅さと物腰の良さを醸し出す白鳥をそっと窺う

周囲に流れる空気は、見ただけで温かなのが分かる

いつでも微笑んでいて、人当たりもよさそうだし、副院長としての責任をしっかり感じている

マスコミに騒がれるのが嫌いで、平凡に生きることを掲げている海斗とは正反対だ

最近は少し穏やかな印象を持てるようになった海斗だけど、それでも病院に居る時はクールさの方が際立つ

落ち着いていて頼りになって、時々優しくて

でも、病院を出ればオフ雰囲気を全開にしてくる我が恋人

sっ気が強くて淡泊で恋愛なんて、女になんて無関心、無感動な奴

「黒崎病院は今の医院長がとても頑張って、福利厚生がしっかりしてますから。あまり参考にはならないかもしれないですけど、子供が熱出したとか授業参観だっていう理由で休むときの気まずさっていうのはないって聞いたことがあります。ただ、どうやってそうしたかまではわかりませんけど…」

しるふが黒崎病院について語れることなんて何もない

海斗から今の黒崎病院の体制のほとんどは元看護師の母・小百合のたまものだと聞いたことがある

信次の妻としてだけではなく、よき助言者としても信次を支えたらしい

その結果、黒崎病院は従業員からも愛される病院になった

しかし、それには多大な苦労があったのだそうだ