何度でも何度でも…
「そうですか、やはり黒崎病院はすごいですね」

白鳥さんが海斗より色の薄い瞳を細めながら言う

「働いていると忘れがちだけど、でもすごくいい人たちばかりなんです。患者を助けたくて、元気になってほしくて全力を尽くす。患者だけじゃない、一緒に働いている従業員にも思いやりを忘れなくて、だからきっと皆あんなにいい顔して働いているんだと思うんです」

私がそんな偉そうなこと言っちゃいけないと思うんですけどね

小さく笑いながら話すしるふに白鳥が好ましいものを見る瞳を向ける

「立花さんは、黒崎病院が大好きなんですね」

そう言われてしるふは照れくさそうに微笑む

「そう、なんでしょうね。他の病院はあまり見たことがないけど、でもあんな病院だったらきっと真っ白な部屋でも退屈しないんじゃないかって思うんです」

せーんせっ、と元気に呼んでくる少女たちの声がよみがえる

忙しいのに、やることはたくさんあるのに時間を割いて患者の病室に行く

他愛のない話をして、一緒に遊んで

黒崎病院の病室からは笑い声が絶えない

重い病気を持っていてもあんな風に笑える病室を作れる黒崎病院はやっぱりすごいと思うんだ



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