何度でも何度でも…
パッと見子供の対応何てやりにくそうにやりそうな海斗に言われると笑いものだったのだけれど

「さ、亮ちゃん、検査に行こうね」

もう一人の看護師が亮君を連れて行こうとする

「いやだ!!」

なんの検査だか知らないが、相当検査が嫌いらしい

しるふの肢にせめてもの抵抗と言わんばかりにしがみついた亮は、半べそだ

「亮ちゃん!わがまま言わないの!!」

怒ったように、急かすように半ば無理やり連れて行こうとする看護師に亮君は必死で抵抗する

男のなんだから半べそかかないの

と心の中で微笑みながら

「検査、怖いんだ?」

足にしがみついている亮に目を合わせるようにしゃがみ、その黒いくりくりした瞳を見つめる

ああ、きっとこのまま大きくなったら海斗みたいにきれいな漆黒の瞳になるんだろうな

「こわくない!!」

おお、ここで意地を張るのか、君は

即答、あまり効果のない意地にかわいいなーとさらに笑みを深くする

「亮君さ、好きなスポーツとかある?」

突然の話題変換に亮は一度きょとんとした後

「ばすけ、おれ、いつかだんくしゅーとできるようになるんだ」

一転、目を輝かせる

その変わり身の早さは、やっぱり子供だ


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