何度でも何度でも…
「おれせいりょうにはいって、でんせつをにぬりかえるんだ!!!」

おお、いい心意気じゃないか、少年

「お、いいじゃん。じゃあ、そのためにいやな検査もちゃんと受けないとなー」

おどけて言うしるふに、亮がぐっと渋い顔で押し黙る

「……」

検査、という言葉には拒否反応をだすらしい

「実はね、私の知り合いその伝説の一人だったりしてー。亮君が頑張ったら会いに来てくれるかもね」

しるふの言葉に、下を向いていた亮君がぱっと顔を上げる

「それ、ほんと!?ねーちゃん、せいりょうこうこうだったの!?」

「ううん、まさか。あんなに頭良くないよ、私。今働いてるところにその人がいるの。もし、もし都合がつけば、もう一人の人も呼んでくれるかも」

なにせ、海斗と弘毅は未だにとっても仲がいい

そして、弘毅のあの人の好さならきっと来てくれる

「マジ!?ねーちゃん、すげえ!!」

海斗も子供のころはこういう風に瞳を輝かせていたのだろうか

亮の海斗そっくりの漆黒の瞳を見ながらしるふは、ふと思う

「来てくれるよ、絶対。でも亮君がちゃんと病気を向き合わなかったら会いに来てくれないだろうーなー」

「がんばる。だからやくそくな!!ぜったいな!!!!」

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