何度でも何度でも…
必死な形相の亮君を見て思わず笑みがこぼれる

「うん。約束。伝えておくね、亮君のこと。春になったら来てくれるように言っておくからね」

だから、頑張るんだよ

そういって亮君の小さな頭を撫でる

わかった!!はるな!!ぜったいだからな!!

念を押して、亮は看護師に連れられて行ってしまう

その小さな背中を見送る

5,6歳に見えたのは病気のせいだろう

きっと8歳くらいだ

切なげな瞳で遠ざかっていく亮の背中を見送っていると

「立花さん」

隣から名前を呼ばれ、はっとして振り返る

やば!思いっきり白鳥さんのこと忘れてた…!

「すみません、なんか余計なことを…」

恐縮してそういうと

「いえいえ、素晴らしいです。僕はあなたのような人を探していました」

ふっと笑みを宿し、しるふに優しい瞳を向ける

…探してた…?

ぱちぱちと瞬きをしながら白鳥を見つめていると、白鳥は改まったようにしるふに向き直り

「立花さん、あなたは素晴らしい人だ。この病院をさらによくしていくためにはあなたのような人が必要です。率直に言いましょう。結婚を前提にお付き合いしていただけませんか」

………はい!?

時が、止まったような気がした
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