何度でも何度でも…

「考えてないし、話も出ないけど、でも…」

「だったら、いいじゃない?そんな男放っておいて」

しるふの言葉を遮り、叔母が嬉しそうに笑う

知らないから、私と海斗がどんなふうにつきあって来たか知らないからそんなことが言えるのよ…

あれほどに安心感を与えてくれて、なおかつ愛しいと思える存在は、なかなかいない

どんなことがあったって信じるって、胸を張って言えるほど海斗は私のそばにいてくれているのに

確かに結婚とか話しないからこの先どう落ち着くのかなんてわからない

いつまでたっても恋人のままかもしれない

ずるずるとこのままの関係を続けていくことになるのかもしれない

そこに不安がないと言ったらうそになる

でも、それでも信じてるんだ、海斗を

決してしるふを悲しませない、いつでもしるふを一番に想っている海斗を

しるふに恋人がいることを知って、あらまー、と口に手を当てる白鳥母を放っておいて白鳥に向き直る

「すみません、白鳥さん」

少し驚いたような表情の白鳥さんに頭を下げる

「そうですか…」

落胆したような声にほっと息をつく

よかった、話がこじれる前に対処できたようだ