何度でも何度でも…
やべー、腹いてー

これだけ叫んでも少しも乱れない海斗の心臓は、どれだけ図太いんだろう

「かいとー。本気で怒るよー」

少々どすの利いた声を出すと、余韻を引きづりながらも海斗は何とか笑いを収めてくれた

「わかった、わかった。ごめんごめん」

それでも声は苦笑交じりなのだが

目の前に居たら蹴り飛ばしてやる、この淡泊男め!!

「ちなみに、その物好きは誰なのさ」

「黒崎病院のライバルとうわさされて名高い、白鳥医院副医院長、白鳥潤也さん」

海斗なんかよりよっぽど大人なんだから

ふん、と唇を尖らせるしるふの耳に

「へえ、白鳥さんが、ねえ。そんな物好きだとは知らなかった」

少々感嘆交じりの声が聞こえる

「物好き物好きってね、海斗君。そんな私に3年もつかまってる海斗君はどうなのさ」

海斗の方がよっぽど物好きじゃない

なに自分のこと棚に上げて人のことばかにしてるのよ

てか、

「そんなに彼女蔑ろにしてるとね、突然さようならって言われるんだから。つか、言ってやるんだから」

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