何度でも何度でも…
「海斗車?」

「にしようかと思ってたけど」

「じゃあ、一緒に帰ろうかな」

本当は最終日どっきり夕飯計画を立てていたけれど、このまま実家に留まる気は

今の状況では起きない

「一週間いればいいのに」

「だってさー、こんな状況じゃ心が休まらないよ。一人でも海斗のうちでごろごろしてたほうがよっぽどいいよ」

俺のうちかよ

ぼそっと海斗の突っ込みが入る

「だって、海斗んち暖かいじゃん。ベッドも寝心地いし」

「だから引っ越せって、何度言わせるんだ」

「面倒くさいのー。海斗が荷物全部まとめてくれるって言うなら引っ越すよ?もっとセキュリティのしっかりしたところ」

その方が海斗だって安心だもんね

からかい交じりに言うと

「服から何から全部捨てていいならまとめてやってもいい」

しごく真面目な声で海斗がさらっという

「ちょっとー、それ、全然まとめてないじゃない」

「それくらい自分でしろよ。俺には全部同じものに見えるだろうから」

「…海斗はさ、もう少しこう、優しさってものを見せてもいいと思うよ?罰当たったりしないからさ」

「言ったろう、これ以上しるふに振り回されるわけにはいかないんだよ」

「またそういうこと言う」

こないだも言ってたよね
< 59 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop