何度でも何度でも…
「いやー、さすが海斗君だよね。そのことを笑って話せるって」

姉はしみじみうなずきながら言う

「だ、か、ら!!断じて脱ぎ癖なんてない!!!」

失礼極まりないわ!!

「ほんと、海斗君のこと信頼してるよね」

姉の黒い瞳と目が合う

急に口調が真面目なものになる

「結構不思議な付き合い方してるじゃない?お二人さん」

でも、と紗雪は言葉をつなげる

「海斗君から連絡なくても不安にならないみたいだし、ほかの女から何言われようと気にしないし、淡泊でお互いに違う方向向いてるのかと思えば全然、しっかりお互いを見てるしさ。マンネリ化してるのかと思えば、そうでもないみたいだし」

ほんと不思議よねー

「…失礼でしょ、そんなに不安になってばっかりいたら」

記憶にある限り、海斗は一瞬たりとも他の女を追いかけたりしなかった

ずっと、ずっとあのやさしい瞳を向けていてくれた

「そんなあんただから海斗君も好きになったんだろうね」

紗雪がふと瞳を細めてつぶやく

だからあんな風にしるふだけを見つめて、想っているんだろう
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