何度でも何度でも…
さすが海斗、良いダシが出ている

しみ込んだときにきちんと味がするようにちょっと濃いめの汁も

野菜の水分でいい感じに薄まっている

やっぱり冬は鍋にかぎる

ふと湯気の向こうで食事を進める海斗が目に入って、その違和感のなさに自分でも少し驚く

板についた、その表現が適切だろうか

(だよなー、付き合ってもう4年になる?)

うっわ、はやっ

もぐもぐと口は休みなく動かしながら思考もフル活動

思い出すのは、出会ってからの4年で起こったさまざまなこと

「どうした」

いやー、いろいろあったわー

と感傷にしたっていると向かいに座る海斗が不思議そうな顔を向けてきた

どうやらころころ表情が変わっていたらしい

そういうところは4年前をなんら変わらないしるふである

「んー、なんかこうやって海斗の部屋に来たりさ、海斗が家に来たりするのもいつの間にか板についたなーって」

もう4年だよ?

ふーふーと豆腐を冷ましてから口に入れる

「4年か…」

しるふの言葉に海斗も感じるところがあったのか、しみじみとつぶやく

「そう、4年だよ。最長記録更新中!今までの最長はコウだもん」

といっても最初の彼氏コウとも一年未満で別れたが…



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