何度でも何度でも…
「ねえ、海斗、Time after timeって知ってる?」

広いベッドの上、海斗に背を向けながら白いシーツを撫でていたしるふは、突然そっとつぶやいた

「ああ、何度もって意味だろ」

しるふの背後で海斗が少し動く気配がする

しるふの言葉に首をもたげたようだ

「さっすがー。…その言葉ね、大好きなんだ。好きな曲にね、大切な人とまた巡り会うのをずっと信じて、もし、巡りあえたらずっと一緒にいるっていう曲があるんだ。それはこの世か来世かわかんないけど、でも、信じて待ってるって、信じて待てるってすごいなって思う。それくらい、誰かを大切に想えるんだって」

「どうした」

しるふの声音に籠もる不安を読み取ったのか、海斗が優しく尋ねながらそっと髪を撫でてくれる

「最近ね、怖いの。海斗とは一緒にいたい、でもね、父さんと母さんのことを思い出すと、怖い。人がいついなくなるかなんてわからないじゃない。だから、怖いの」

ぎゅっとシーツを握りしめていると海斗が背後から優しく包み込んでくれた

重なった手と背中に感じるぬくもりに思わず瞳を閉じる

「海斗、」

絞り出した声は心なしか震えている

「約束して、ずっと、ずっとそばに居るって。どこにも行かないって。私を、独りにしないって」

あやすようにそっとしるふの手を握りしめながら、海斗はゆっくりと口を開いた
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