何度でも何度でも…
あのいつだったかのベッドの上

繋がれた手と背中のぬくもりに包まれながら紡がれた言葉

「70歳くらいまでなら約束する。それ以上はどうなるかさすがに保証できないけど。でも、ま、70にもなれば人生残すところ幾ばくかだろうし、どっちが先に行ってもすぐに再会できるだろう」

あの世なんてものがあれば、の話だけど

しっかりと紡がれた言葉は、それでも不安を消すにはつたないのかもしれない

約束に根拠はないのかもしれない

でも、あの時海斗は不安そうなしるふに静かにそういった

ずっと一緒にいるなんて言うよく聞く言葉ではなく

海斗なりの、意外と真面目な海斗の言葉で

だからすっと心に入ってきて、今でも時々湧いてくる不安を掻き消してくれる

だから言葉にできない安心を得られるんだ

< 89 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop