宮都桜子溺愛日記
プロローグ

プロローグ 宮都桜子



プロローグ 宮都桜子



私はよく明るいと言われるがそんなことはないと思う。

なにより私はネガティブなことがコンプレックスであり、それが心の拠り所でもあった。

自分はどうしてこうも不細工で性格が悪くて

いつもそんなことを思いながら過ごしている。

だからポジティブな人に憧れる。

そして逆に苛つく。

なんでもかんでもいいやいいや、そんなんじゃ成長しないとおもう。

しかしやはり憧れるのは事実で。

私が好意を寄せるのはやはりそういうポジティブシンキングに富んだ人達ばかりだった。


7時13分。

あと29分後に彼が家の前を通るはずだ。

私はウィンナーを口に入れ朝食を食べ終わった。

母は二階でまだ寝ているはずだ。

父は10年前に離婚し、それ以来会ったこともなく。
母に暴力を振るって死の淵まで追いやったこともあり顔は忘れてしまった。
というより、一刻も早く忘れたかった。
浮気をした上、金を母に要求し首を締め上げたのだ。

母は日記にこう綴っていた。

「私はなぜあんな男と結婚したのだろうか。疑問が尽きない。死ねばいいのに、殺す、私が殺す」

食器を流しに片す。
その足で洗面所へ向かい、歯を磨き、白のセーラー服が濡れないよう顔を洗った。

わざわざ濡れないように顔を洗うくらいなら着替える前に顔を洗えばいいのに。

このように要領が悪い辺り私はつくづくだめな人間だとおもう。

顔を洗い終わり、髪を梳かす。
二つにわけ、みつあみをしていく。
きゅっときつく縛る。
大体胸の辺りでゴムをつかいとめる。
前髪をかるく梳かすと鏡にうつった自分に微笑む。






















可愛くない。





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