ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
自覚しているからこそ煮え切らないのかもしれない。直せばいいのに矯正不可。そんなジレンマを持ったまま離れることなど出来ないが、渉から絶縁状を突き付けられる前に――そんな悲しい現実を見る前に、無理にでも離れようと五十鈴は考えたが。
「うぜぇ。できもしねえことを、囀ずんなや」
そもそも、出来ないにたどり着くじゃねえかと、藤馬はせせら笑う。
言葉に詰まった五十鈴は、やはりそうなるかと肩を落とすようだった。
「んなにわたるんと離れたいってんならー、俺がやってやろうか、ええ?わたるんを僻地に――奥さま知らない遠ーくに飛ばせば、はい、かいけつー。一生会えないな」
「っ、第一、お前みたいのが渉に付きまとっているから――」
心配なんだと言いかけて、ふと気づく。