ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
ビール
屋敷の玄関――二枚扉を壊さん勢いで叩く輩に、今晩の夕食は抜きだと言いかけた口をロードは閉じた。
「勝負だっ、ロード!」
仁王立ちで胸を張る金髪童顔の馬鹿さはいつものことながら、その背後にそれほどお目にかかれないものがあれば、絶句してしまう。
「……」
酒樽、そうして単細胞が前にいて、勝負と抜かし、酒臭さが酷い。
色々と頭でまとめつつ、まず真っ先に聞きたいことと言えば。
「酒樽を担いできたか」
この荒唐無稽の馬鹿力め、と扉を閉める。
「な、逃げんな、閉めんなっ」
それを良しとしない金髪童顔ことクロスは慌ててドアノブを掴むわけだが。