ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
「酒臭さ消えるまで中に入るな、酔っ払い。ビルディに絡まれては迷惑だ」
「俺は姫の迷惑になるようなことはしないっ」
「ならば俺の迷惑も考えろ……」
このままでは扉が壊れると、力を抜いた大人なロード。
扉一つで勝ち誇ったようなクロスに、水でもぶっかけようかと思えど、はたりと気づく。
「そういえば、マンナカはどうした」
屋敷の番犬たるマンナカと散歩に出ていったはずだが、外にいるのはクロスのみ。
「途中からいなくなった」
「何の途中でだ……」
「マンナカの散歩に街までいったんだが、『酒注げよ、かわいこちゃん』とか馬鹿にする旅人いたもんでな。誰に喧嘩売ってんのかと、思い知らせてきた」
「君の剣技前では、相手も惨めだろうな」