ほろ酔い気分で聖夜を過ごす


――


家の中に入るなりの出迎えは、赤き姫君の朗らかな笑いであった。


「また珍しい光景ですねぇ」


閉めた扉に背をつけ、ずるずると座るロードは、そうとしか言えない。


赤くなった顔に、今にも眠りそうな瞼。だらけきった姿勢は、いつもの彼に似つかわしくない。


「相応しいのは、俺だ……」


「ロードでも酔う時があるのですね」


いったいどれぐらい飲んだので?と座るロードに合わせ、膝を折る姫。


「はて、クロスはどこに」


「外で潰れている」


「寒いですから中に入れなければいけませんね」


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