ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
分かっている、特別だと。“みんなが特別”なんだから。
「ほとほと呆れるよ」
彼女と接することが出来るこの手足に。
他に使い道が分からない。彼女のため以外で使ったことがあるかと、自問するのも馬鹿馬鹿しい。
支えることは苦しくない。何よりも、それだけが、彼女との“接点”なんだ。
「特別の中の特別には、まだなれないか」
出てきてしまった吐露は弱みだったか。確かに人は酔うと弱くなる。
けれども涙は流さない。
「お布団で添い寝しましょうか」
「勘弁してくれ」
君がこうして、傍にいてくれるから。