ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
『めりーくリすまス』
一文字ずつ、子の前で並べられた文字たちの挨拶。
平仮名だけでは足りぬと、片仮名の文字も混ざる。
『きょうは』『なにをしニキた』
「こどもがメリークリスマスって言うなら、大人はプレゼントを渡さなきゃいけないんだよ?」
『ワタシは』『キさマをコドモとおもわなイ』
「ボクはこどもだよ。みーんなに愛される可愛いこども。だから、おばあちゃんもボクを愛さなきゃ。愛してくれるなら、ボクもおばあちゃんを大好きになるよ!」
文字との奇妙な会話を事もなげにしてみせる子供は、慣れたとしか言いようがなく、また“おばあちゃん”と言われるモノも、この子供が“こうである”とも慣れてしまった。