ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
ぐしゃりと踏み潰されたページ。足跡がくっきりと残る紙を増やし、更に踏み散らかす。
子供の地団駄。ぐしゃぐしゃになっていく紙に対して悲鳴を上げたのは、この部屋そのものだったか。
本棚の本が雪崩れ落ち、紙の螺旋が高速移動で乱れ舞う。
『やめろ』『ヤメロ』
それらの文字を子に突き付け、それでも地団駄は止まらぬと、分厚い本をぶつけた。
鈍器と相違ない重みを何の躊躇もなく、子の頭に落とし、更に生き埋めにしようと本の山を作ってみせたが。
「おばあちゃんが、悪いんだ」
埋もれたはずの子は、本の上に立つ。
「こどもはいつも笑顔でいなきゃいけないんだ。機嫌損ねちゃダメなの。だってこどもの笑顔は素敵なことなんだから。ずっとずーっと、笑わせてよ。こどもの笑顔、見ていて和むでしょ?」