ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
「酔ってるね」
「そういうことにしといてください」
彼のシャツのボタンを第三まで外し、鎖骨から肌に這うようにして滴る雫を舐めとる。
こんな行為一つで、体が熱くなる。顔から火を吹き、欲情が暖炉のようにメラメラ燃えていく。
――女失格。
淑やかとは程遠い、清純ごと彼の肌に噛みつく。
痛むような小さな声。
「かわいい」
そうして、ペットでも愛でるような甘く低い囁き。
「互いをプレゼントしようか」
「最初から、それ目的なんじゃないんですか」
「いや、まさかここまでとは思わなかった」
彼の手から滑り落ちたグラスが割れる。
ミナナが下で、彼が上。この図に何ら違和感はないのに、天井を背にした彼の艶やかな笑いから目を逸らせない。