ほろ酔い気分で聖夜を過ごす


――女以上に、魔性だ。


顔立ちがいい男の真価。それを虜にしてしまった自分は、いったい今、どんな顔なのかと、考えて顔を隠す。


隠すと言っても、目元に腕を置くだけだが、


「本当に、今日はどうかしちゃってるね」


苦笑気味にミナナの腕を退かす彼。戸惑っている顔は、いつも彼のペースにハマっていくミナナにしてみれば、「してやった」と思えてしまう。


心に出来た余裕。
今日は私のペースに乗せてやろうかと、残りのボタンを外していく。


「プレゼント、何が欲しい?」


「あなたが好きなモノをください」


「ミナナの笑顔」


ならそれを、と言う前に覆い被さる体。


抱擁力ある肉体が熱すぎて、暖房要らずだなと笑っておく。


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