シークレット ハニー~101号室の恋事情~


でも、そんな関係望まれるほどの身体はしてないって分かってるし、行為の間は夢中になっちゃって五十嵐さんが満足できているのかも分からないくらいだし。

そんな私に身体の関係なんて望まないだろうと考えて、他の答えを探そうとしたけれど。

五十嵐さんが、ごくごく平凡な私に望む事なんてないように思えて答えに詰まる。
何を望んでいるんだろうと顔をしかめて見ていると、五十嵐さんに微笑まれた。


「簡単だよ。俺と付き合ってほしい」
「そうやってからかうのやめてくださ……」
「からかってなんてないよ。
言ったでしょ。好きだって」
「えっ、言われてないですけど」


言われてても信用できないけど。

驚いた私に、五十嵐さんはそうだっけ?と首を傾げてから、私と同じように上半身を起こして。
それからまた微笑む。

五十嵐さんの後ろにある、遮光性の低いカーテンからもれる光がまぶしい。



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