シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「やめてください! 嫌ですっ、本当に!」
拒絶ばかりを口にしたけど、五十嵐さんの指も唇も私の命令に従ってくれる様子はなかった。
……もしかして怒ってる?
いつもは優しい五十嵐さんを知ってるだけに、強引な今の彼にそんな考えがよぎった。
「……なにか、怒ってますか?」
どうやら正解だったらしく、五十嵐さんは行為を中断させる。
そして、後ろから抱きついたまま耳元でため息をつかれた。
「怒ってる」
「あの、でも別に隠してたわけじゃなくて、ただ言いそびれてただけで」
そう言い訳する私に、五十嵐さんは「それもあるけど」と違う理由がある事を示唆する。
答えが分からずにいると、五十嵐さんはもう一度耳にキスを落として。
「犯人に聞かせてやろうか」と恐ろしい提案をし出す。