シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「嫌ですっ、そんな趣味ありません!」
「俺もないよ。でもあまりに頭にきたから」
「……何がですか?」
「あの手紙の内容。
葉月の声は世界一可愛いのに」


―――喘ぎ声が気持ち悪い。

手紙の中にあった一文を思い出して、五十嵐さんの怒りの原因を知る。

そんな事に今まで見た事のないほど怒ってくれたのは嬉しいと思う。
だけど、気持ち悪いって言ってる犯人に聞かれてる前提でこんな事できるハズがない。

オンチだって言われたすぐ後に、どうだとばかりにその人の前で熱唱できる人なんて、自分に自信がある勝気な人だけだ。
私は違う。


「五十嵐さ、……や、ぁ……っ」


何度イヤだって言っても止めてくれない五十嵐さんに、本当に嫌なのに身体が火照っていく。

いつの間にこんな身体になっちゃったんだろうって、自分でも不可解なほど簡単に、五十嵐さんの指や舌に渦の中へと堕とされる。



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