シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「い、や……っ」
「大丈夫だよ。俺しか聞いてない」
そんなの見え透いた嘘だって分かっているのに。
それでも信じて従いそうになるくらい、五十嵐さんの声は魅惑的だ。
つい、常識だとか全部手離して溺れそうになるほどに。
「ん、ぅ……やぁ……っ。
五十嵐さん、以外に……っ、聞かれたくない……」
押し寄せる波に必死に抵抗しながら言うと、五十嵐さんは嬉しそうに笑って。
それからキスをして、侵入させた舌で私のそれを丁寧になでる。
「ん……ふ、ぅ……」
「大丈夫だよ。俺だって葉月の声を他の男になんて聞かせない」
キスを終えた五十嵐さんの言った言葉に、じゃあ犯人は女って事?って聞き返したかったけれど。
襲ってきた甘い疼きに堪えらずそれは声にならなかった。