シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「おいしいんですかね、やっぱり」
「おいしいでしょー。なにそれ。あの五十嵐篤志をおあずけって」
「福島さんっ、フルネームはやめてくださいっ」
「でもなんで付き合わないの? そんな恋人みたいな生活してるんだからもう付き合っちゃえばいいじゃない」
「身体の相性もいいんでしょ?」と付け足した福島さんから目を逸らして苦笑いをもらす。
「まぁ……はい」
「あのね、そんないい男に言い寄られるなんてきっとこの先ないわよ」
「それは分かるんですけど……」
ハッキリしない私に、福島さんはため息をつきながら何が不満なのかを聞く。
不満なんかない。
むしろ私には五十嵐さんのすべてがもったいなさすぎるほど彼は完璧だし。
完璧というか、私にとっては完璧って事だけど。
それでも引っかかるのは……。