シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「でも、どうしてくれたから好きとか、こう言ってくれたから好きとか。
そういうのって結構後付じゃない?
なんとなく好きかもって感じてから恋って始まる気がするけど」
「それは……分かりますけど」
「雨宮は気になるみたいだけど、芸能人だって普通の人間なのよ。
五十嵐さんだって普通の男。
普通の女の雨宮と普通の男の五十嵐さん、別に惹かれあったってどこもおかしくないと思うけどなぁ」
「……そうですけど」
福島さんの言っている事は分かるんだけど……。
どうしても、心のどこかで納得できずにいる。
五十嵐さんと会うようになってからずっと。
「まぁ、雨宮が恋愛してきたふたりがアレじゃ、次の恋愛するのが怖いのも分かるけどね」
「本当に、今考えるとすごいダメな人とばっかり付き合ってきたんだなって痛感してます……。
今いろいろ恋愛がらみの噂で嫌な目に遭ってるから、余計に信じ切るのが怖いのかなぁ」
「でも、怖いなって思ってる時点で、もう五十嵐さんの事恋愛対象として見てるって事でしょ?」
答えられずにいると、福島さんはそれを肯定ととったようで、微笑んで続ける。