シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「分かったらすぐに出て行って! もう二度と篤志の前に現れないで」
「でもそれって、五十嵐さんの自由ですよね?
何の権利があって、あなたが口出ししてるんですか?」
「アンタこそ、何の権利があって篤志に近づいてんのよっ。
ちょっと篤志が優しいからって勘違いしないで欲しいんだけど」
「別に勘違いなんてしてません」
「してるでしょ。何度も部屋に呼んで誘惑して。
付き合ってるわけでもないくせに身体の関係を迫って篤志を繋ぎとめてるんでしょ!
大した身体じゃないくせに、本当に身の程知らずっていうか厚かまし……」
「身体の関係だけじゃありません」
あまりの言われようにイライラして言うと、女の人の眉間にシワが寄る。
こんだけ好き放題言っておいてよくシワが寄せられるものだと思わず感心してしまう。
私はきっとその10倍シワを寄せたい気分だ。
イライラしてるって気づかれるのが癪だから、絶対に顔をしかめたりしないけど。