シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「だってあの時はイライラしてたからつい」
「つい、じゃないですよ! おかげでばっちり盗聴されちゃってたみたいだし。
それにあんな風に怒るなら、最初から盗聴させなければいい話じゃないですか」


あんな風に、メモリースティックを踏みつぶすくらいなら。
あんなの漫画以外で初めて見た。

まぁ、そんな事言えば、あんな風に脅してくる人も初めてだったけど。


「大丈夫だよ。そもそも盗聴されてないから」
「されてないって……でも、枕の中から出てきたじゃないですか。盗聴器」
「無線タイプの盗聴器は電波を飛ばすんだけど、その電波を妨害して盗聴できなくさせる機械があるから。
葉月の部屋に頻繁に出入りするようになってから、それを葉月の部屋にも仕掛けてあるから、声も何も聞かれてないよ」


発見機なら聞いた事もあったけど、妨害して盗聴できなくさせる機械があるなんて初耳だ。
というか、私の部屋にそれを仕掛けた事も初耳なんですけど。



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