シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「いつの間に仕掛けたんですか……」
「お好み焼き買ってきた時だったかな。
葉月がお風呂に入ってる間に仕掛けておいたんだ。
何かあってからじゃ遅いからね」
「そんな前に……」
全然気づかなかった。一体どこにあるんだろう。
そう思って部屋をキョロキョロ見回していると、あれだよと五十嵐さんが教えてくれる。
指し示された先には、ベッドサイドに置いてある木製の小さなラックがあって。
その後ろを覗き込むと、ラックの裏側に携帯くらいのサイズの機械が貼り付けられていた。
「半径5メートルはカバーできるから羽田さんの受信機には何も届いてないから安心していいよ」
「でも、録音したって……」
「声がどうのって言ってきたのはカマかけてきただけで、身体の関係を持ってるって事は葉月の反応を見て判断したんだろ。
第一、本当に聞いていたら葉月の声に文句がつけられるハズがない」
「だったら、私が盗聴器って騒いでた時点で、妨害してるから大丈夫って教えてくれればよかったじゃないですか……。
私あの時本当に声聞かれないように頑張ってたのに……」
「ごめんね。声出すの我慢してる葉月が可愛かったからつい」