シークレット ハニー~101号室の恋事情~
五十嵐さんのおすすめだって持ってきてくれたインスタントソースは、その辺のスーパーでは見かけない代物だった。
高いんじゃ?って聞いたけれど、五十嵐さんはそんな事ないよと微笑むだけだったから実際の値段は分からないけれど。
見た目も香りも私の知っているインスタントソースとは少し違っていて。
もしかしたら千円台とか乗っちゃうんじゃないかと疑いながら、フォークをふたつ引き出しから出した。
私がふるまうような料理は、高い食材なんて使っていないごくごく一般的な手料理なのに、五十嵐さんが持ってきてくれるモノはいつも少し高そうなモノだから申し訳ない気分になるのだけど。
持ってきてくれるモノはすごくおいしいし、おいしく食べてくれればそれでいいからって言う五十嵐さんについ甘えてしまっている。
今回のパスタソースもおいしくてそう言うと、五十嵐さんはよかったと微笑んで。
それから、野田の件だけど、と話題を戻す。