シークレット ハニー~101号室の恋事情~


私の平和な生活のために、どうにかして姿を消してくれないかなとか考えるのはほぼ毎日だし、何かの間違いで修正液とかガブ飲みしてその作用通り消えてくれればいいのに、とか本気で思う。

それに、普通の感覚を持った男だったら、こんなにも美形な五十嵐さんを前にしたら何も言えなくなるだろうけど、野田は特殊だ。
湯水のように溢れ続ける自信の泉を持ってるから、きっと五十嵐さんと対等かもしくは自分が上にいると判断するだろうし。

もしも五十嵐さんと会わせてそんな内容の事を言い出したら、今度こそ私がぶちぎれるかもしれない。


「俺はそれ以上に嫌だと思ってるって分かってもらえない?」
「私だって、それと同じくらい嫌なんです。
それに、五十嵐さんが聞くから話しただけで、五十嵐さんにどうにかしてもらおうなんて考えはなかったですし。
自分でどうにかできるから本当に大丈夫です。あと半月で異動ですし」
「でもそんな話聞かされたら、俺は葉月が会社に行ってる間ずっと心配で気が気じゃない」
「そんな事言われたって……」




< 180 / 313 >

この作品をシェア

pagetop