シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「どいてください」
「葉月がちゃんと気を付けたところで、男ならすぐにどうにでもできるよ。
野田にもしこんな風に力づくで抑え込まれたらどうする?」
「……野田は、ひょろひょろだし筋肉なさそうだし私でも本気で抵抗すればどうにか」
「本気でそう思ってるなら改めた方がいい」
「っていうか、社内でこんな事……っ」
「ないって言い切れないだろ? 社内では控えた方がいい話題を平気でするようなヤツなんだから」


確かにそうかもしれないけど!
だからって、なんで野田のせいで五十嵐さんとこんなケンカしなくちゃならないの?
初めてのケンカが野田のせいって、本当にもう……!

全部が野田のせいだ。
そう思うと悔しくて勝手に涙が浮かんでくる。

そんな私を見下ろしながら、五十嵐さんが顔をしかめる。



< 182 / 313 >

この作品をシェア

pagetop