シークレット ハニー~101号室の恋事情~
血の繋がりのないお父さんなら、実際に五十嵐さんと生活した時間は短いだろうし五十嵐さんの事をよく知らずに、記事を見て心配する気持ちも少しは理解できる。
でもお母さんは、ずっと一緒だったなら五十嵐さんがそんな事する人じゃないって分かるハズだ。
自分の息子なんだから、信じるハズだ。
そう思って聞いたけど、答えは私の期待したものではなかった。
「まぁ、信じてないわけじゃなかったんだろうけど……。
なにしろ新しい家族ができたばかりだったから、そっちを守るのに必死だったんだろ。
それに、一般人にとって本当だろうが嘘だろうが、あんな大きな活字で記事にされたらそうも思えてくるのも分かるし。
仕方ないよ」
「仕方ないって……っ」
「でも、俺も家でる事にたいしては反論しなかったから。
それまでは母親だけだったから、何かあった時ひとりにしたくなかったから一緒に暮らしてたけど、家族が増えたなら俺は出た方がいいと思ったし」
「記事とかで、晒される事があるからですか……?」
「まぁそんなところかな。
妹は高校生だったし、学校で噂になっても可哀想だから」