シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「まぁ、そういう事だ。
仕事はできるし、監査課の社員とも去年からの付き合いになるし顔合わせ済みだから問題ない」
「顔合わせって……どんな反応でしたか?」
「一応、篤志が元芸能人だとかそれを口外しないで欲しいって内容は伝えたが、みんな一風変わってる社員だからね。
大した興味も持ってなかったよ。
篤志の顔見ても、四人中三人は気づかなかった」
私を入れると、五人中四人が気づかなかったって事になるのか。
五十嵐さんの事を知らなかったってだけだけど、なんだか同じ匂いがする。
となると、私も一風変わってるって事になるんだろうか。
「でも、後から入ってきた五十嵐さんが急に上司になるなんて納得しないんじゃ……」
「その辺は問題ない」
そう言い切った部長を、なんでだろうと不思議に思いながら見ていると、苦笑いを返された。