シークレット ハニー~101号室の恋事情~


間が怪しい上に、なんでって聞き返すって事は。
私の予想は当たってるって事を、五十嵐さんの言動が証明してる。


「私に仕掛けるとか絶対にやめてくださいね。もしそんな事したら五十嵐さんの大事にしてるギター全部折りますから」
「じゃあ、中古のギター買ってダミーで並べておかないと」


そんな事を言って笑う五十嵐さんに、テーブルをドンと叩く。


「ここは芸能界じゃないんですからね!
盗聴器とか普通に会話の中に飛び交っていい言葉じゃないんです!
第一、その前にいくら付き合ってても盗聴なんて犯罪ですから!」
「冗談だよ。いくら俺でも葉月にそんなものつけない。
野田の事は心配だけど、そんな事して葉月に嫌われたんじゃ元も子もないし」
「……本当に?」


疑い半分で聞くと、五十嵐さんは困り顔で笑いながら、一瞬そんな考えもよぎったけどねと普通に言うから怖い。
一般人にはまず盗聴なんて考え出てこないのに。


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