シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「それは……」
「だから、ああ、おまえが言ってた彼氏っていうのは全部俺を諦めさせるための嘘かって思ってたけど。
そこまで妄想してるってなると二次元彼氏だよな、もう」
野田は野田なりに考えて、私が言ってるのは二次元彼氏だって考え付いて色々行動を起こしていたのか。
何も考えてないと思っていたからそれなりに考えてはいたのかとある意味感心しながらも、二次元彼氏なんかに繋がる野田の思考回路にイライラする。
決して二次元ではないけど、うまい言い訳が思いつかない。
だって、五十嵐さんを野田に会わせるわけにはいかないんだから。
こんな口から先に生まれてきたような男に会せたら、明日から絶対に噂になって五十嵐さんを困らせる事になる。
人事部部長のコネで入社したんだから、きっと部長だって上から何か注意されたりするかもしれない。
そんな事になったら五十嵐さんはきっと自分を責めてしまう。
だから絶対に五十嵐さんを野田になんか会わせたくないのに……。
都合のいい言葉がでてこない。
「二次元じゃないっていうなら会わせてみろよ。
葉月がベタ惚れだっていうその彼氏に。
そしたら諦めてやるよ」