シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「そう。知っててくれたんだ」
しかも認めちゃってるし。
クラクラと一歩よろけそうになって、肩を抱いている五十嵐さんの腕に気づく。
だからその手をはがそうとしたけれど、それに気づいた五十嵐さんはさらに力を入れて私を抱き寄せた。
「君との事は前から葉月に聞いてたんだ。葉月が自分で何とかしたいってきかなかったから口出ししなかったんだけど……。
もうそろそろ俺の方も黙って見ているわけにはいかないから、こうして葉月に黙って来たんだ」
「なんで……? どうして分かったんですか?!
もしかして本当に盗聴……」
「まさか。葉月が自分でどうにか決着つけようとしてるっていうのは態度で分かったし」
それだけだよ、と五十嵐さんは笑うけど、本当にそうなのか疑問が残る。
でもそんな事よりも、今はこの状況をどうするかだ。