シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「さっき話した通り、葉月の態度が少しおかしく感じたからつけただけ」
「でも一度帰ってますよね。着替えてるし」
「更衣室でね」
「え、男性用の更衣室なんてあるんですか?」
「あるよ。使われていないだけで」
「……じゃあ、会社からその目立つ格好で?」


指摘すると、五十嵐さんはにこっと笑う。


「どうせバラすなら派手に行こうと思って。
芸能人ぽかった?」


そんな事を聞く五十嵐さんは、やっぱり自分の事をもっと知るべきだ。
あの野田でさえ、五十嵐さんを見て数十秒間声を出せなかったんだから。

呆れていると、私の手をとった五十嵐さんが歩き出す。
手を繋いで歩くという行為がなんだか恥ずかしくて、誰かに見られたらって言ったけれど五十嵐さんは離してくれなくて。


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